Jane Goodall Institute Japan - ジェーン・グドール インスティテュート・ジャパン

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ユースカンファレンスをレポート! 盛りだくさんの内容をチェック

Roots & Shoots Youth Conference Report!

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ユースカンファレンスをレポート! 盛りだくさんの内容をチェック

広々とした大きな窓から、柔らかく暖かな陽光が差し込み、心地よくそよぐ春の風。イベントを共催する横浜インターナショナルスクールの素晴らしい会場で、日本支部初となるRoots & Shoots Youth Conferenceを2024年3月31日に開催しました。

会場とオンラインを含め、のべ70人が集まりました。初開催となる中、お時間をいただきご参加いただいた皆様に深く深く感謝申し上げます。参加者皆様の温かさによって、会場はとても共感と思いやりに満ちた特別な空間となりました。

冒頭には、ジェーンさんから届いたばかりのメッセージ動画を公開。先日ジェーンさんが訪れたブラジル・アマゾンの村で始まったばかりのRoots & Shootsについて紹介したのち、「皆さんの存在こそが、私の最大の“希望”です。想像してみてください。何百ものルーツ&シューツのグループのみんなが、人のため、動物のため、環境のために、世界をよりよい場所にしようと取り組んでいることを。もしかしたら、次に日本を訪れたとき皆さんと会えるかもしれません。それまでは、素晴らしい活動を続けて、大いに楽しみ、友だちをつくってください」と日本の若者たちへ向けてエールを贈りました。

Jane GoodalI Instituteは自分たちのことを「地域主導型自然保護団体」と呼んでいます。それだけに、ローカルなアクションとグローバルなつながりを大切にしています。気候危機が叫ばれる中、大きな社会変革が必要です。こうした中で忘れてはいけないのが、個が希望を抱ける世の中にしていくこと。私たちは個の可能性を信じ、行動は希望を育みます。Roots & Shootsは「環境」「動物」「人間」の3つのトピックから自身の興味関心のあることについて、探求し、大なり小なり行動を起こし、一つひとつの変化をみんなでセレブレイトしてことを大切にしています。誰もが参加しやすいハードルの低さも魅力の一つです。

今回のカンファレンスには小学生から大学生までが参加し、それぞれの活動やこれから取り組んでみたいことなどをシェアしました。(今後、一つひとつの発表内容の詳細ついてもウェブサイトで公開していきます!皆様のインスピレーションとなることがたくさん詰まっています)

①Yokohama International School
3年前から活動をしているYISのRoots & Shoots。ジェーンさんにインスパイアされた一人の中学生から輪が広がり、現在のメンバーは8人で毎週金曜日の放課後に集まって活動しています。学校の行事などでファンドレイジングを行い、売り上げをJGIが運営するチンパンジーの保護活動に寄付。さらに、テトラパックのリサイクルを校内で推進すべく、リサイクルボックスを校内各所に設け、リサイクル便を活用するなどしています。また、集まったベルマークポイントを活用して児童ホームをサポートしている他、実際に施設を訪問してニーズを聞き出し、必要な支援につなげています。学校の中でできることから始まり、地域へと活動を広げていて素晴らしいです。

②Moritodoubutsu
リーダーは10歳と12歳の姉妹。両親と祖父母、アメリカにいるいとこ家族、二人の友人とともに、生活と地域に根差した様々なアクションに取り組んでいます。家族や友人を巻き込みながら、少しずつ輪を広げていて素晴らしい!ジェーン・グドール博士の本を読み、ルーツ&シューツに参加しようとグループ登録をしてくれました。プラスチックや紙ゴミを削減するための日常のアクションのほか、地域で行っているリサイクル・リユース活動、フードドライブへの寄付活動、JGI USが運営するチンプガーディアンプログラムへの参加、絶滅危惧種動物の勉強など、活動は多岐にわたっています。他にも、地域でのゴミ拾い活動に参加していて、一枚絵を応募すると苗木が一本植えられる山田養蜂場のミツバチの一枚画コンクールについても紹介してくれました。グループの好奇心と探究心に刺激を受けます!

③Planetary Health Diet PJ
管理栄養について学ぶ大学生グループ。ミッションは「地球と人間の健康の両立」。そしてビジョンは『環境と人間の健康の両方を考えられる』管理栄養士になること。世界栄養会議・防災フォーラム・臨床栄養学会などの学会への聴講や講演会へ参加するほか、同じ大学に通う仲間たちが、食を通して地球の健康と私たちの健康の密接なつながりについて知り、少し立ち止まって考えてもらいたいと、プラネタリーヘルスダイエットメニューと題した学食を提供! 大学での専門的な学びを、身近な場所でアクションへと昇華するその行動力と独自性に拍手!!

④St Mary’s International School
スポーツや課外活動などが多い学校生活でメンバーを維持する難しさなど、さまざまな課題に直面する中、UNWFP(国連世界食糧計画)が開発した英単語のゲームFREERICEの啓発活動を行っています。ゲームに参加すると、お米が寄付される仕組み!また、学校と協議中だというのが、カフェテリアのフードロス量を計測するという取り組み。ロスの量を可視化することで、必要な生産量を提示できるのではと考えています。他にも、平和をテーマとし、国際色豊かなメンバーとともに広島について学びを深め、千羽鶴を折るなどの取り組みも。国連平和大使であるジェーンさんにとって、Roots & Shootsは平和を希求するリーダーシップを育む大切なプログラムとなっています。

⑤First Step
7歳から9歳の子どもたちを中心に、山口県下関市郊外の地域から始まったばかりのRoots & Shoots。オンラインでつながり、どんなことに興味があり、今後取り組んでいきたいかなどを早速シェアしてくれました!保護猫活動や保護犬活動、ゴミ拾いなどに取り組んでみたいとのこと。大切な犬猫家族からインスピレーションを出発点にしている点がとっても素敵です。地域でできることを街の人たちと一緒に、これからの活躍が楽しみです!

⑥Meisei High School
東京都、府中の明星中学校・高等学校は、街をフェアトレードタウンにすべく多角的に取り組んでいます!フェアトレードについての学びを深めたのち、スローガンを「GLOCAL (Global + Local)」とし、消費活動の10%をフェアトレードもしくは地産地消にできるよう、地域の人々に呼びかけています。学園祭だけでなく、地域のお祭りなどにも参加。今年の3月には、駅前でフェアトレードフェスティバルを主催しました。発表を聞いた人たちからは、自分が住む街もフェアトレードタウンにできないだろうかなど、そんな発見と後押しを多くの人たちに与えていました!

⑦Fukitaro 
神奈川県立高校135校の電力が、昨年再エネにシフトしました。そのきっかけとなったのが、ふきたろうさんがはじめた署名活動です。署名活動を始めるに至った経緯を、幅広い年齢の記憶に残るかわいくてキャッチーなしろくまのイラストとともに紹介してくれました。学校の電力を変えるには、校長先生ではなく知事にアプローチしなければいけないと知った彼女は、そこから相手を納得させるためには何が必要かをまずはじめに考えたんだとか。「相手をよく知ること」そして大きな問題を向き合う上で、「一つずつ順番に解決していくこと」が重要だと話してくれました。行動力に感動するとともに、希望をもたらしてくれるストーリーに、心に温かさが残りました。今年大学生になったふきたろうさん。今後、JGI日本支部初めてのインターンとして活動してくれます!

今回、ニュージーランドで保育士として活動されていたMiyukiさんは、未就学児とできる環境活動についてお話してくれました。遊びを通して学べる廃材や天然資源を使った遊びや、絵本の力などを紹介。また、森林火災などの自然災害が身近で起こったとき、子どもたちとできる大切な対話の仕方などもお話しくださいました。

アウトプットの時間として簡単にブレインストーミングを行う予定でしたが、時間を大幅にオーバーしてしまったのでやむなく断念。本当に申し訳ございませんでした。後のアートワークショップを企画してくださった𣕚木さんが、紙の緩衝材として使われている模造紙を再利用し、「環境」「動物」「人間」のパネルを作ってくれていました。次回のイベントで、活用させていただきます。

この後、ジェーンさんの90歳の誕生日を祝して、Mr. Hのようにバナナを持って、円になってみんなでハッピーバースデーを歌いました! 90歳という特別なセレブレイションを、会場の皆さんとともに共有し、祝福できたことを大変嬉しく思います! 4月3日の誕生日に、映像をジェーンさんに送りました。また来年ジェーンさんが来日される際に、直接動画を見てもらいたいなと思っています。

1時間以上に及んだプレゼンテーションのあとは、クッキーとパンの時間!

誕生日を記念して作成したクッキー缶のクッキーは、団体のビジョンに共鳴いただいた鎌倉「ものがたり食堂」のさわのシェフが作成しました。さわのさん自身も、気候変動の問題を食を通して伝えてきたシェフの一人。今回はヴィーガンのスノーボールクッキーを準備してくださいました。クッキーの味は、抹茶、ヘーゼルナッツ、クランベリー、ココアシナモン。ほろほろととろける絶品!!そして、クッキー缶の真ん中にある“Together We Can. Together We Must”と記されたジェーンさんの直筆メッセージを囲むのは、ボランティアでイラストを描いて下さったアーティストのRisa Kusumotoさんの可愛いイラスト。

たくさんの愛が詰まったクッキー缶はチャリティの返礼品として、イベント当日から一週間キャンペーンを運営し、たくさんの寄付が集まりました。多大なる感謝と愛に、心から感謝申し上げます。また、中身を変えてキャンペーンを展開できたらと考えています。

そしてBricolage bread & co.さまに協賛いただき、スジアオノリのパンを人数分++αをご提供いただきました! パンを準備してくださったのは、レフェルヴェソンス料理長の生江史伸シェフ。パンに使われているのは、シーベジタブルのスジアオノリ。かつてスジアオノリの産地であった四万十川は、昭和50年ごろには60トン程度の量が採れていたのですが、2020年に水揚げがゼロに。これを復活させるために、シーベジタブルは海の沿岸部で穴を掘ったときに浸透する冷たい地下海水を汲み上げ、環境負荷の少ない陸上栽培と海面栽培によって蘇らせてきました。それをおいしくてもっちりとしたパンに練り込み仕上げたのが、Bricolage bread & co.さま。華やかなスジアオノリの香りに、ほんのりとしたお醤油の風味が。

「美味しい」という喜びの背景にあるストーリーを通して、子どもから大人まで参加者たちは新たな発見になったのではないでしょうか。

映画『ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方』(2018年、アメリカ、91分)は干ばつに山火事、水害、害獣駆除、生物多様性……人と自然が共生する世界はどうしたら作れるのかを、農場の世界の中でそのヒントを与えてくれます。幅広い年代が楽しめて学べる映画なのではないかと思い、今回の3月31日のイベントで上映させていただきました。

そして、ネイチャーポジティブについて考えるべくアートのワークショップを開催! ワークショップを企画したのは、臨床美術士で幼稚園教諭の𣕚木麻衣子さん。自然のものや端材などを活用して、なるべく環境負荷の少ない方法で子どもから大人までが参加できて楽しめるイベントのプロ。今回、帆布にRoots & Shootsのロゴと、緩衝材のクラフト紙と、使えなくなった紙袋や、広告、山登りで集めた落ちていた木の皮を縫い付け、木の幹の土台を準備。さらに、葉っぱは新聞紙にアクリル絵の具でペイント。余った絵の具を下水に流すと、それを処理する為に沢山の水が使われるため、絵の具を余らない方法で制作。そして一つと同じものがない色とりどりの葉っぱができました。国際環境NGOのWWFで働いていた山本亜沙美によるネイチャーポジティブのお話を聴きながら、「生物多様性」について自身の中で閃いたキーワードなどを、それぞれが葉っぱに記載。これらの葉を一枚一枚安全ピンで取り付け、大きな木を完成させました。

「一人ひとりが重要であり、一人ひとりに役割があり、一人ひとりが変化を生み出すことができる(Every individual matters, every individual has role to play, and every individual makes a difference)」

このアートのワークショップは、ジェーン博士のこの言葉を表すかのよう。𣕚木さんの言葉を借りていうならば、一人ひとり違った色があり、一人ひとり思いを馳せる先やアクションが違ってもいい。でも、みんなの力が集まれば、こんなにも大木になり大きなインパクトを残すことができる──そう教えてくれる、みんなの作品となったのではないでしょうか。

カンファレンスを通して、こうした皆のストーリーを共有してセレブレイトしていく場をもっと作っていきたいと思いました。小学生や中学生、高校生から大学生まで、Roots & Shootsのビジョンに共鳴し、アクションを起こしている誰もが参加できる機会を企画していきます。(今回のイベントで出た反省点は収穫点とし、より良いものを作っていきます)

BIG THANK YOU TO THE VOLUNTEERS

最後となりますが、イベントを実現できたのは、たくさんのボランティアの皆様の協力と愛があってこそ。本当にありがとうございました。書ききれないのですが、私の思いに最後までお付き合いいただけますと幸いです。

ウェブサイトの運用やチラシのデザイン、ニュースレターの配信等々に尽力してくださっているJiro FukudaさんTakeo Takahashiさん

JGIのリローンチ時からソーシャルインパクトのある事業を多角的に支え、たくさんの人を繋いでくださっているReiko Suzukiさん。イベント当日は素晴らしい通訳をしてくれて、その温かい声は会場の雰囲気をよりよくしてくれたと感じています。それはMona Neuhaussさんも同じで、二人の通訳は心がこもっていて、今まで聞いた通訳の中で最高だったと心から思っています。

ジェーンさん来日時から伴走し続け、心を配ってくださっているShinobu Namaeさん。人と人を繋ぎ、いろんな面で支えられていて書ききれません。Mr. Hのバナナは生江さんのアイデア。

企画を一緒に考え、広報をサポートしてくださっているAsami Yamamotoさん。彼女なしでは走り出せなかったと思います。

亜沙美さんを繋いでくださり、さらにはチャリティ企画を含めイベントの運営など包括的に尽力してくださっているMegumi SawanoさんMakoさん素晴らしいアートのワークショップを準備してくださり、さらには湘南地域にも広報してくださったMaiko Tamokiさん

教育と環境問題を繋げ、情熱的にサポートしてくれているYu Kobayashiさん。イベント当日も同じ思いを共有する教員の方などを連れてきてくださり、そこからさらに躍進しているのだとか!楽しみです。

細やかなサポートをしてくれたNick Ashleyさん。気候変動についての思いを可視化する瓶を設置することなど、知り合ったばっかりだったにもかかわらず、企画の内容をより良くするアイデアは大変ありがたいものです。

臨機応変でプロフェッショナルな司会をしてくださったHiroko Idaさん。イベントを心から楽しんでくださり、会場を盛り上げてくださったことがとても嬉しいことでした。

スチル撮影をしてくださったNathalie Cantacuzinoさん。貴重な瞬間を一枚一枚におさめてくださり、会場の温かい雰囲気も含めて捉えたその芸術性に脱帽です。

カメラ3台を一人で回して動画編集までしてくれたYosuke Endoさん。その日のうちに誕生日動画ができていて、感動しました。

and so many more…friends, families, supporters…

そしてこのようなチャンスをくれて見守ってくださっているKiyoshi Koikeさん、本当にありがとうございます。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

With Love,
Mina Oba (JGI Japan)

EN translation coming soon…


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